「アベノミクスの幻想と、経済実態は全然違う」岡田代表

 岡田克也代表は28日、定例記者会見を開き、経済状況、安保法案の審議などについて見解を述べた。

 岡田代表は先週末から株価が乱高下したことについて、「問題は、その背景にある経済実態だ」と述べ、近年の経済の状況について資料に基づいて解説し、以下の4点を指摘した。

  • 民主党政権下では実質GDPは489兆円から517兆円と5.7%増だったが、安倍政権では直近の4-6月期が528兆円で、民主党政権時からほとんど変わっていない
  • 一方、消費は民主党政権時には287兆円から300兆円に増えたが、安倍政権では298兆円とむしろ減っている
  • 実質賃金指数は、安倍政権になってかなりマイナスが続いている。物価は上がったが賃金の伸びが追いついていない。2010年を100とすると、現在は92.6となる。
  • 正規従業員が減って(民主党政権終期3330万人→3314万人)、非正規従業員が増えている(同1843万人→1953万人)

 岡田代表は「円安になり、金融緩和もあって株が上がったことで景気が良くなったという声もあったが、多くの人々にとっての実態は、それとはかけ離れているということを示している。禁じ手と言ってもいい異次元の金融緩和をやり、公共事業予算も増やしたが、それでもこういう経済実態にあるということに立ち返り、危機感を持って対応していかなければならない」「いつまでもアベノミクスの幻想に酔っていると、実態は全然違う。そういう意味で先般『アベノミクスはすでに失敗している』と申し上げた」と述べた。

 安保法制については「参院での精力的な議論が続いている。衆院の時からそうだが、議論すればするほど疑問が深まり、答弁が安定していない。こんな状況で憲法の解釈に関わる法案を採決して法律にしたら大変なことになる」とあらためて危機感を強調した。その上で27日の大野議員の邦人輸送中の米艦防護に関する質問に触れ、「必ずしも邦人が米艦の中にいなくてもいいと。(政府の答弁は)非常に混乱している印象だ。顔を洗って出直して、国民に1から説明してもらいたい」と苦言を呈した。

 その上で衆院予算委員会について「私もしっかりと議論したいと思って楽しみにしているが、なかなか日程が定まらない」と語り、民主・自民の間で、お盆明けに所要7時間の予算委員会の開会を合意しているとして、「(政府与党が)予算委員会や党首討論を飛ばして逃げ込むのではないかと心配している。約束はちゃんと守ってもらいたいし、国民の前できちんと説明する、逃げ隠れせずに総理にはしっかり説明してもらいたい」と要望した。

 「アベノミクスは幻想だ」という発言に関連して、記者団から経済対策となる補正予算についての見解を問われ「経済状況を見なければならないが、補正予算を政府がやる気があるのかどうかも分からない。少なくとも、公共事業ではできないだろう。もしやるのなら3本目の矢(成長戦略)に資するような生産性を高めるための財政出動になると思うが、具体的にどういう案があるのかはっきりしない」と述べた。

 また、アベノミクスの失敗の理由は、金融緩和への依存が強すぎたせいか、3本目の矢(成長戦略)をおろそかにしたせいか、どちらだと思うかと問われ、「両方だが、3本目の矢が機能していないことが大きいと思う。金融緩和の本当の弊害が出てくるのはもう少し後だろう。逆に言うと、これだけ無理な金融緩和をしながらそれを活かしきっていない。本来であれば政権の全力を挙げてそこに傾注すべきであるにもかかわらず、(今の状況は)安倍総理のやりたかった安全保障に政権のエネルギーのかなりを費やした結果でもある」との見方を示した。

 ヘイトスピーチを禁じることなどを内容とする「人種差別撤廃施策推進法案」について、参院での協議の状況を問われ、「審議が行なわれた後、止まっている状況だ。与党に修正案や対案の提示を求めているが、これまで4回の協議でも回答がない。自民党内にいろいろ意見があってまとまらないということのようだ。安倍総理も一般論として必要性を認めていたように記憶しているが、これだけ動かないというのはいかがなものか」と与党の対応に苦言を呈した。

 松井大阪府知事、橋下大阪市長が維新の党を離党したことに関連して、野党再編に関しての考えを問われ、「今までも言ってきたことだが、次の参院選を考えても、野党から候補者が何人も出るようでは到底与党に勝てない。そういう意味で候補者の調整は最低限必要だ。さらに一歩進んで単に調整するだけではなく、その候補者をみんなで推すというようなことも、なるべくそうしたほうがいいと思う。ただ、それに対する障害もある。考え方や政策が一致しない中では国民の理解は得られない。その意味では政策がなるべく一致する必要がある。(再編は)そういうことの積み重ねの結果だろう」と語った。

配布資料1 GDPと家計消費の推移

配布資料1 GDPと家計消費の推移

配布資料2 実質賃金指数

配布資料2 実質賃金指数

配布資料3 実質賃金指数(2010年平均=100)

配布資料3 実質賃金指数(2010年平均=100)

配布資料4 正規・非正規従業員の推移

配布資料4 正規・非正規従業員の推移