参院安保特別委員会で26日、安全保障関連法案の一般質疑が行われ、民主党・新緑風会の1番手として質疑に立った小川勝也議員は、今回、自衛隊法の95条の「武器等防護」を拡大し新たに設けた95条の2の「米軍等の武器等防護」について取り上げ、その実態を暴いた。

 小川議員は、11本もの法案を2本に束ねた安保法案について、「法律の本数が多いことと、立てつけにたくさんの問題点があることで、両大臣(中谷防衛大臣、岸田外務大臣)が想定されている以上のことを可能にする条文によってこの法律案が組み立てられていることが分かったのではないか。大事なことは、安倍政権や安倍総理、中谷防衛大臣がやるかやらないかではなく、後の権力者や後の総理大臣が可能だということを認めたうえで議論を進めさせてもらわないといけない」と指摘。安倍総理の「木を見て森を見ず」との発言に対する、ある有識者の「木の葉を隠すなら森のなかに」との言葉を紹介し、「何がどこに隠されているのか分からないというのが今回の法案の難しいところだ」と述べた。

小川議員の質問風景

 そのうえで、今回武器等防護を米国に対してもできるようにする法改正について、「今後米国の要請と防衛大臣の指示があれば米国の武器等を日本の自衛官が守るということででよいか」と質問。「自衛隊と連携してわが国の防衛に資する活動に現に従事をしていることが大前提。あくまでも日本が主体的に判断し、行動するということ」などと答える中谷防衛大臣に対し、「『防護』という言葉はファンタジーではない。危険だから防護する。日本のイージス艦が反撃能力を持って、米国の艦船が撃たれたとき、武力行使をすることが防護ではないか。これは認めるべき」「日本の艦船が米国の船を防護する。そのときにどういう攻撃が米国の艦船にくるかは、防衛大臣の希望通りには来ない。潜水艦から魚雷を撃ち込まれたらどうするのか」と迫った。

 中谷大臣は、「ミサイルで撃たれるだけが米艦の危険な状況ではなく、あらゆる事態があり、そうした状態に対し米国を95条の2で対応するということ」「条文上、現に戦闘行為が行われている現場で行われているものを除くと規定している。法律の内容、要件についても武力攻撃を伴うものではないと事前に米国にも説明しており、こうした任務を行う場合には当然米国と調整をし、米側の行動等も把握したうえで対応する。あくまでも法律の範囲内で米国等を防護することになる」「憲法の範囲内で法律を考えた。日本は武力行使をしてはならないという前提で95条の2を考え、提案をしている」などと答弁。小川議員は、「攻撃を受けたときに縷々(るる)法律の条文に照らし合わせて、反撃ができるのかどうかとあれこれ考えている人に守ってほしい人はいない」「どんな攻撃にも対処できるのは防護。できないのにできるふりをしたいのが法案の中身だ」と断じた。

 小川議員は、当初は武器庫等防護として、武器、弾薬を保管する場所を保安隊が警備し、それを守るための武器使用を可能として武器等防護の原型ができあがったとその経緯にも触れ、「こんなふざけた法律で米国の船を守るなんておこがましい。法律に対する冒とくだ。内閣法制局がまともに機能していたら、こんな法案は絶対に通るはずがない」と指弾。「武器等防護ができたらいいなという願望だ。実態のない法律を出してはだめだ。木の葉を隠してずたずたの法案を出してくることは許されない。今回の安全保障法案は将来に禍根を残す。絶対に成立させてはいけない」と述べ、質問を締めくくった。