海江田万里代表は4日午後、定例記者会見を党本部で開き、(1)労働者派遣法改正案への対応(2)金融緩和に踏み切った日銀の対応(3)同日行われた参院予算委員会――等について見解を語った。
労働者派遣法改正案については、先週末の10月31日に衆院厚生労働委員会で審議入りする予定だったが、当日になって与党である公明党が修正案を提出する意向を理事会で示したことから紛糾し、委員会が流会となった経緯を海江田代表は説明。「議論がまだ1分も始まっていないのに、公明党からまさに前代未聞の修正案が出てきた。そして与党がこの段階で修正案を出すということはどういうことなのかと理事会で私どもが指摘したところ、この修正案はなかったことにしてほしいという申し出が公明党からあった」。また、4日夕の理事懇談会でも自民、公明の両党間で意見がまったくまとまっていない状況にある点にもふれ、「いま、直ちに委員会の審議に入るわけにはいかない」と、与党の混乱ぶりを問題視した。そのうえで「労働者派遣法改正案の問題は、労働者だけでなく日本の国の方向性にとっても大変危うい法案であり、私たちはしっかり議論をしたいと思っている」と述べ、徹底した議論のためにも委員会で議論できる条件・環境を整えるよう与党に求めている段階だとした。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が年金資金の運用で株式への投資割合を大幅に増やす方針を公表した問題では、「厚生労働大臣はたいへんうれしそうな顔で記者会見をしていたが、国内株式が25%、外国株式が25%ということで計50%を株式に投資することになる。分散投資は大事だが常軌を逸した判断だ」と海江田代表は指摘し、GPIF発足後の資産運用実績の稼ぎ頭は国内債券で、次は外国株式、次は外国証券で、唯一マイナスなのが国内の株式であるにもかかわらず、こうした判断に至った状況を批判した。そのうえで海江田代表は「年金の資金というのは誰のものかということだ。これはもちろん安倍総理のものでも塩崎厚生労働大臣のものでも、運用にあたる委員の方々のものでもない」と指摘し、本来であるならばこうした大幅な変更の際は国会での議論やパブリックコメントを集めるなどして国民の声を聞くなど、十分な議論を行うのが本来の筋だとして、「毎月の給料から年金保険料を払っている人たちの声を聞くべきだ」と述べた。
桜井充、水岡俊一両議員が質問に立った同日の参院予算委員会については、「アベノミクスは国民のためになっているのか」との桜井議員の質問に対し、安倍総理は一貫して正面から答弁することを避け、自論をとうとうと述べ続けるいつもながらの時間稼ぎに終始したことに海江田代表は不快感を示し、「総理はもっと国民の声に謙虚に耳を傾けるべきではないか。私たちは国民の声を受けて国会で議論しているのであるから、国会で丁寧に民主党の質問者の問いに応えるべきだ」と語った。
枝野幸男幹事長がJR総連などから政治献金を受けていたことに関し、安倍総理が10月30日の衆院予算委員会に続いて自身のフェイスブックでも一方的に批判するコメントを書いている点について記者から感想を求められると、「誹謗中傷はやめてほしい。総理なのだから」とコメント。そのうえで隷書でしるした「書」を示し、「誹謗中傷はやめて誹謗の木を掲げてほしい」と安倍総理に求めた。これは中国神話に登場する君主・堯(ぎょう)帝の「誹謗の木」にまつわる話だとして、「国民の意見を聞くために自分の宮殿の入り口に誹謗の木というものをつくった人物で、柱を立てて、国民、庶民は自分の政治が間違っていたら誹謗中傷、そしることばを自分に対して書いてくれということで誹謗の木を植えた」と記者団に説明。「安倍さんは今日の参院の質問でも、国民の声をまったく聞かない。国民の声を代表する、民主党の委員の声を聞かない。そして誹謗中傷を繰り返している。誹謗中傷はやめて、首相官邸に誹謗の木を植えてくださいというのが私の感想だ」と述べ、総理にふさわしくない言動が続く安倍総理をけん制した。