男女共同参画政策
多様なライフスタイルを生きる時代の自立と安心の政策
〜男女共同参画政策の充実に向けて〜
みんなを元気に
〜いま、なぜ男女共同参画政策なのか〜
女性も男性も多様なライフスタイルを生きる時代です。
 人生80年時代という長い人生において、ライフスタイルは多様になりました。学校を出たら就職し定年まで勤めて老後…これまで、男性の人生がこんなパターンだと考えられていたとしたら、女性の人生はすでに多様でした。勤め続ける人、出産して退職する人、子育てしながら地域で活躍する人、家庭や地域での経験も活かして再就職する人、事業を始める人、学校で学び直す人。企業での働き方も、正社員、パート、派遣といろいろでした。
 いま、男性も多様なライフスタイルを生きる時代になっています。年功よりも知識がものをいう21世紀。生涯を通じて教育を受け、学ぶことが欠かせません。リストラや会社の破綻も珍しいことではなくなりました。転職や脱サラ起業、パート就業も意識する必要があり、「家族を養う」責任はひとりでは担いきれなくなっています。
 「適齢期」に結婚して子どもは2人、というパターンも薄れました。「適齢期」という考え方が弱まり、いろいろな事情で結婚しない人、離婚する人も増えました。いずれ結婚しようと考えている若い人の中でも、生活設計への不安などから、未婚でいるケースが増えています。子育てが困難な環境に不景気も手伝って、夫婦がもつ子どもの数は減り、全体的に子どもの人口は減少し続けています。
 高齢期の生活はいっそう多様です。若い頃のライフスタイルや中年期からの備え、現在のコンディションなどによって、「同じ歳」でも驚くほどの個人差が出ます。また、長期化する傾向にあるひとり暮らしの老後を、どれだけ素敵にすごせるかが、ひとつの課題といえます。
 性別や年齢によるパターンにこだわらず、誰もが「自分らしく」ライフスタイルを選択し、元気になる.それが男女共同参画社会です。

それなのに、社会の制度や慣行は、
あなたの選択をサポートしていません。
 その一方で社会の制度や慣行は、まだまだ従来のパターンにもとづいています。男性が一家の稼ぎ手で妻子を養い、女性は家庭中心という、「男性世帯主・片稼ぎ」モデルが主流だとされています。
 もちろん、職場での男女平等や仕事と家庭の両立のために、法律も整備されてきました。すでに1985年には、男女平等の観点から「男女雇用機会均等法」が制定され、97年に改正強化、2004年には「育児休業・介護休業法」も改正されました。それでも、保育所をさがす親の苦労はあまり軽減されず、待機児童は減っていません。高齢者の介護サービスも十分とはいえません。サービスの総量は足りているようでも、種類やタイミングに大きな改善の余地があります。
 そして、社会保障や税制。生活を保障し支えるこれらの制度は、私たちひとりひとりがライフスタイルを選択し、職場や家庭・地域で活躍していく上で基盤(インフラ)ともなります。それなのに税制も社会保障も、まだまだ「片稼ぎ」世帯を標準としています。例えば、厚生年金では、40年間勤め続ける夫と一度も勤めることがない妻という今どきめずらしいカップルがモデル。これでは、年金財政もおかしくなるというものです。
 職場や地域でも、家事・育児・介護はもっぱら女性の役割と見る性別役割分業の慣習や意識がまだ続いています。制度が整備されても、育児休業をとる男性が「変わり者」と見られるのでは、選択することはむずかしく、仕事と家庭の両立もすすみません。少子化に歯止めがかからない原因です(少子高齢化の悪循環)。
 右肩上がりばかりでなく、多様な変化が起こる時代、社会の制度や慣行は、特定のライフスタイルを標準とするのではなく、どのようなライフスタイルにも中立的であることによってはじめて、あなたの選択をサポートできるのです。

古いパターンの社会システムが、生活の危険
(リスク)を増し、社会の活力をそいでいます。
 個人の選択をサポートしない社会システムは、女性に とっても男性にとっても、生活や労働のさまざまな場面 における危険(リスク)を高める原因になります。雇用不安や生活不安は、犯罪の増加にもつながってい ます。家計が消費を抑え、企業が人件費を削るというの は、個々の家計や企業にとっては合理的な防衛策かもし れませんが、社会全体としては景気をさらに冷え込ませ ます(不安と不景気の悪循環)。リスクが分かち合われな いまま、弱い立場にある子どもや高齢者・障がい者、女性を 対象として、犯罪、虐待、家庭内暴力が目立っています。
 男性も被害の例外ではありません。1998年から9年連続で、年間の自殺者数が3万人を超え、そのうち 1万人以上は中高年の男性です。交通事故の死亡者数が 年間1万人弱ですから、中高年男性の自殺はきわめて深 刻な事態です。不安定な社会情勢の中で、一家の稼ぎ手、 頼もしいお父さん、不退転のリーダーなどといった、従来の「男らしさ」像を押し付けることは、逆境にある男性た ちをさらに追い込んでしまいます。 多様なライフスタイルに対して中立的な社会システム は、性別・年齢に縛られない個人の選択とリスクの分散を サポートします。選択がサポートされるという安心の上 にこそ、自由で創造的なエネルギーが発揮されるのです。 現状では、古いパターンの社会システムが、日本社会全体 の活力をそいでしまっています。

男女共同参画政策こそ、
あらゆる人の自立と安心の政策となります。
 不安と不景気の悪循環も、少子高齢化の悪循環ももう たくさん。時代と社会の変化に対しておずおずと社会シス テムを手直しするのでは、悪循環を逆転できません。時代 と社会の変化を積極的に呼び込むような、新しい男女共同 参画政策が必要です。
 多様なライフスタイルを前提に、リスクを分かち合うこ とで個人として自立し、人と人との関係、家族、社会との 関係を広げていける社会システムづくり。そして変化の激 しい時代に、個人が全方位で柔軟に生きることをサポート する社会システムづくり。そんな新しい男女共同参画政策 は、女性のための女性政策を超えて、性別・年齢にかかわ らず、あらゆる人の自立と安心をすすめます。
  あらゆる人が、みずから選択し、「自分らしく」活躍する こと、日本を再創造するカギはそこにあります。
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