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多様なライフスタイルを生きる時代の自立と安心の政策
〜男女共同参画政策の充実に向けて〜 1.安心と公正の年金制度
〜女性には、無年金になる可能性がある。残念ながら、それが現状です〜
無年金者をなくしてすべての国民に年金を 自分の老後はなかなか想像しづらいかもしれません。しかし、年老いた時にもし安心して暮らせなかったらと思うと、心中穏やかではいられないのではないでしょうか。 現在の年金制度は、少子高齢化がすすむ中、負担と給付のアンバランスが問題となり、制度に対する不信と不安が広がっています。 そんな中、女性の年金制度についても、多様化した女性のライフスタイルに追いついていないため、さまざまな面で支障をきたしています。 たとえば、サラリーマンの妻で自分自身は無収入か収入が低い場合(第3号被保険者)は、世帯収入として老後に自分の基礎年金、夫の基礎年金と厚生年金、夫が死亡の際は遺族年金を受け取ることができます。一見、安定しているようですが、離婚をした場合は条件が一変し、夫の年金を分与されるとは限らない上、自分の老齢基礎年金も25年の拠出期間を満たしていなければ受給することができません。女性の平均寿命が延びる一方で、無年金になる可能性を否定できないとなると、高齢女性がどうやって生きてゆけばよいのか、不安は募るばかり。離婚は近年増加傾向にあり、その後の金銭的困難は、決して見過ごせない事実なのです。 では、働いて自分で厚生年金に加入している女性(第2号被保険者)の年金はどうかというと、決して満足のゆく水準ではありません。2003年の新規受給者の年金額は、男性の受給額19.4万円と比べて女性は10.7万円と、二分の一程度の水準にとどまっています。これは、女性の賃金水準が低いため年金受給額への反映も少ないことや、育児や介護の家族責任のために就業の中断または休止を余儀なくされ、厚生年金加入期間が短くなってしまうことなどが原因です。また、世帯として同額の保険料を負担しても、夫の遺族年金にはライフスタイルによる差が出ます。その意味で、本来の拠出に見合う給付を受けられないことになってしまいます。 同じく働いて収入を得ている場合でも、パートや派遣で働く女性が年収130万円未満の被扶養配偶者で、フルタイム就業者の四分の三以内の労働時間である場合は、厚生年金に加入せずに第3号被保険者にとどまらなければなりません。 また、第3号被保険者の老齢基礎年金の財源が、その三分の二を女性を含む被用者(第2号被保険者)の拠出に負っていて、負担と給付の関係が女性同士の間で不公平という問題もあります。 これらの不公平は、現在の年金制度が個人単位ではなく世帯単位となっていることが大きな原因だと考えられます。そして世帯単位の歪みに大きく左右されうるのは、女性です。誰でも安心して年金を受給できるようになるためには、負担も給付も個人単位の年金を形成できる制度づくりが必須です。
2004年の通常国会では、民主党などの反対にもかかわらず政府の年金改革関連法案が強行採決されました。この法案は、パート労働者への厚生年金の適用拡大など、ライフスタイルの選択にかかわりの深い点の改革をほとんど先送り。数少ない変更の1つが、離婚した場合に夫の厚生年金の一部を妻名義に移すことができるという「年金分割」の導入です。 専業主婦世帯では従来、厚生年金は全額夫に支給され、家事や育児を担って家庭を支えた妻には、月額が最高で6万6千円の基礎年金だけでした。 改正により、2007年4月以降の離婚について、結婚していた期間中に納めた保険料に対応する厚生年金が分割の対象になり、分割を受ける側の取り分は、夫婦合算の厚生年金の半分を上限として双方の合意によります。また、2008年4月以降に妻が専業主婦(第3号被保険者)だった期間の分の年金については、妻の取り分は自動的に二分の一となります。明快な二分二乗方式でないため、取り分が不確定です。夫婦の協力が年金分割という形で明示されるのは、離婚の場合だけというのも本末転倒しています。
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