
前原誠司政策調査会長は25日、党新潟県連が新潟市内で開いた社会保障・税の一体改革説明会で約200人の参加者を前に講演した。

この中で前原会長は、「増税の前にやることがあるという議論はその通りだ」と述べ、2014年4月に消費税率を引き上げるまでに国会議員定数削減や公務員人件費の削減、行政のさまざまな無駄の削減とスリム化、円高デフレ対策などに取り組んでいくことをあらためて強調したうえで、「社会保障の財源の安定化のために、そして日本売りというものが世界で行われないために、皆さん方にご理解をいただきたい」と訴えた。
現在連日続けられている党内での法案の事前審査については「この議論は野田総理が政治生命をかけてやらなければいけないという思いを持たれたテーマで、年度内の閣議決定は何としてもやりとげなくてはならない。そのための事前審査なので、いままで丁寧な議論をしてきたが、おのずとタイムリミットというものはあると思っている。しっかりと党内議論を行い、決めるときは決める、そして決めたことには従ってもらう」と表明した。
スライドを使っての説明では、少子高齢化に伴い社会保障関係費が毎年1兆円以上増加する一方、国民所得と税収の減少で国・地方の政府長期債務残高が雪だるま式に増えている現状を解説し、社会保障と税の一体改革の議論が進まない場合には、下がり続けている日本の国債の格付けがさらに格下げされ、金利リスクが国の財政だけでなく民間金融機関の自己資本比率の低下などへの悪影響も引き起こすと強調。
消費税率引き上げに伴う社会保障の充実や財源安定化については、その内容を一つ一つ詳しく説明し、消費税の逆進性対策が社会保障関係の歳出面でも随所に盛り込まれているとして理解を求めた。

質疑応答では計8人から「増税実施時の経済成長率や行政の無駄削減について明確な数値目標を盛り込んではどうか」「政権交代時に掲げていた天下り根絶、高速道路無料化、子ども手当26000円などがまったく実行されていないのではないか」などの意見や質問が出され、前原会長が一つ一つ丁寧に答えた。数値目標については「新成長戦略に名目3%、実質2%という10年間平均の目標が書かれており、これを何とか実現したいが、今回の法律の中に数字を入れて増税の条件とすべきではない。経済成長をどう担保するか、政府・与党が一体となって、日本銀行も関与する中で日本全体が景気回復に向けて努力していけるか、もう少し時間をいただいて知恵を出していきたい」と答えた。高速道路無料化の社会実験の震災による中断などマニフェストの実施状況についても、現状をくわしく説明した。
意見や質問の概要は次の通り。
- 給付付き税額控除とマイナンバーの導入の見通しを少し詳しく説明してほしい。富裕層への資産課税を強化すべきではないか。
- 消費税以外のぜいたく品課税をすべきだ。何かというとたばこ増税が話題になるが、酒税を増税してはどうか。
- 増税実施時の経済成長率や行政の無駄削減について明確な数値目標を盛り込んではどうか。
- 最低保障年金を含む新しい年金制度の創設や後期高齢者医療制度の廃止は本当にできるのか。
- 政権交代時に掲げていた天下り根絶、高速道路無料化、子ども手当26000円などがまったく実行されていないのではないか。
- 少子化への対策として、女性の就労支援や子ども子育て支援、待機児童解消をもっと進めてほしい。少子化対策・男女共同参画担当大臣の専任の女性大臣を置くべきだ。
- 在宅介護への移行と言うが、介護の体制が充実しておらず、家族は働けなくなる。もっと現場を見てほしい。
- 議員定数削減は本当に間に合うのか。やっぱりできませんでしたということにならないようにしてほしい。
