消費税率5%の引き上げ分は全額を社会保障の財源に充てると説明する岡田副総理

 岡田克也副総理は18日夕刻、政府が長野県長野市で開いた「社会保障と税の一体改革を考える『明日(あした)の安心』対話集会in長野」に出席し、200人の会場を埋めた参加者に一体改革の必要性を説明するとともに、質問に答えた。

腕まくりして質問に答える岡田副総理

 対話集会初日のこの日に長野市を会場に選んだ理由を岡田副総理は「ここに来る前に佐久総合病院を訪ねていろいろ話を聞いてきた。長野は非常に長寿で健康だが一人当たり医療費は全国で見ても少なく、非常に効率でよい医療ができているモデル的な地区。地域と密着した医療ができている」と述べた。

 プロジェクターを使って日本の厳しい財政情況、高齢化の進展と社会保障給付費の増大などを説明したうえで、消費税率引き上げの必要性について「これだけの借金をしながら社会保障を維持していくということは極めて厳しくなってきている。では社会保障をどんどん圧縮すればいいかといえば、おそらくそういう選択は多くの国民の皆さんの同意するところではないと思う。他方で借金をこのままどんどん重ねていって、結局次の世代にどんどん借金を増やしていけば、それはどこかで行き詰まってしまうわけで、次の世代に対して責任を果たしたとも言えない。そういう中で、まず5%を引き上げていくことをお願いしたい」などと訴えた。

 合わせて15人から「月7万円の年金では生活できない。もっと年金額を引き上げられないか」「消費税の引き上げには賛成だが、ムダに使われないように厳しくチェックしてほしい」などと質問や意見が出された。1時間の予定を15分ほど延長して一つ一つに丁寧に答えた岡田副総理は、最後に「今回の反省は、やはり1時間半くらいやるべきだった。このあとの予定があり、本当に申し訳ない」「皆さんからいろいろなご意見をいただいて私も勉強させていただいた。こういう形で各地域で皆さんのご意見を聞いていきたい」としめくくった。

 参加者から出された質問・意見の概要は次の通り。

  • 消費税が上がれば物価スライドで年金も上がるという話だったが、そもそも月7万円という年金額を上げてもらわないと生活ができない。
  • 3号被保険者制度をどうするかの問題がある。国民年金に加入して、年金額が少ないと思えば国民年金基金にも加入すればよいのではないか。短時間労働者を厚生年金に加入させることは企業主の半額負担が重い。
  • かつて物価が下がったときに年金を下げなかった。これからようやく下げることになったが、国民が嫌がることでもきちっとやっていくべきだ。
  • 過去に年金積立金のムダ使いの話があったが、ああいうことが二度とないように責任を明確に追及してほしい。消費税も何に使われているか分からないということがないようによくチェックしてほしい。
  • 3号被保険者は自分で国民年金に入るべきだ。自分はオーバードクターで月収10万円のアルバイトで苦しい生活をしているが、1カ月20万円は必要だ。月7万円の年金では生活できない。
  • 国民年金の未納問題は、年金額が少ないこともあるが、自分で貯金したほうが得だという誤解がある。年金生活者としてはそのありがたさがしみじみ分かる。消費税の引き上げには賛成だ。
  • 貧困・格差問題の原因は最低賃金を憲法で保障された最低限度の生活ができる程度に引き上げないできたことにあるのではないか。非正規雇用の労働者、年収200万円以下の労働者の割合が増えている状況をまず改善すべきだ。年金額を生活できる額に引き上げるべきだ。
  • 話を聞いて消費税の引き上げは必要だと思う。住宅は高いので考慮するという話も別の閣僚が言っていたと思うが、駆け込みで家を買った方がいいという勧誘もある。具体的にどうしていくのか。
  • 消費税を上げても上げても法人税が下がるだけで実際に社会保障に使われて来なかった。97年に消費税を上げたら景気が悪くなって税収も減ったが、今回は大丈夫か。
  • 大胆な改革をしないと財政再建はできない。徹底的な市町村合併をすれば県もいらないし公務員も減らせる。参議院もいらない。それくらいの改革をしないと日本は滅びてしまう。
  • 民主党のマニフェストに国家公務員総人件費2割削減とあったが、いつくらいのメドで削減できるのか。衆議院の80人削減のほかに参議院も40人削減、国会議員の経費2割削減も書かれていた。「身を切る改革」と言うならこれらは最低限守ってほしい。増税に向けていつまでにやろうとしているのか。
  • 質問者の真剣な表情
  • いい説明を受けた。TPPの話と社会保障・税一体改革は何か関係あるのか。
  • 小学校5年生だが、長野市では放課後児童クラブに4年生以上は入れない。消費税が上がれば全学年が入れるようになるか。
  • 在宅医療の充実、最終的には自宅での看取りをできるように全国でシステムを充実していくことで高齢者も地域で安心して暮らせるのではないか。検討してほしい。
  • 少子化は深刻な問題だ。安心して子どもを預けられる場所が必要だし、安心して子どもを産めるような国にしなくてはいけない。公務員を減らす話が出ていたが、むしろ正規雇用を増やして税金をどんどん納めてもらえばいいのではないか。子ども・子育て新システムで保育施設の基準が緩和されて危険になることはないか心配だ。

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