
野田佳彦総理の施政方針演説等に対する各党代表質問が27日午前、参院でも始まり、民主党・新緑風会を代表して輿石東参院議員会長(党幹事長)が質問に立った。
輿石会長は東日本大震災からの復旧・復興のみならず、経済、財政、外交と内外の厳しい情勢をふまえ、「大きな政治、決断の政治を実現し、次の世代に『歴史的なたすき』をしっかり引き継ぐため、ぶれることなく、逃げることなく、この国難に真正面から挑む歴史的なとき。同志とともに国民の期待に応えていく決意」だと表明。「社会保障と税の一体改革」については、「消費税増税と同時に、国会議員定数の削減と公務員人件費の削減を必ず実現することとしており、一体改革の実現はまさにマニフェストの実現以外の何ものでもない」と主張し、一体改革の成功は原点に戻る最後のチャンスであり、違反にはあたらないとの考えを示した。
輿石会長は、(1)これまでの復旧・復興策によって導き出される被災地の将来像(2)冷温停止状態と事故の収束(3)原発事故との今後の戦いの道筋(4)原発周辺からの避難住民の帰還についての除染なども含めた見通し(5)損害補償、健康対策、食品の安全、エネルギー政策の在り方(6)わが国の経済の現状と将来的な見通し(7)社会保障制度改革の全体像と実現への道筋(8)「社会保障と税の一体改革」素案の基本理念(9)消費税引き上げ時の景気条項(10)平成24年度予算編成にあたっての目的など(11)財政の役割と財政再建への道筋(12)マニフェスト実現に向けた決意(13)国際情勢の認識と外交・安全保障問題に取り組む基本姿勢(14)アメリカの新国防戦略、普天間問題など日米関係(15)日中関係、日朝関係、イランとの関係、TPP(16)野田総理の考える幸せのかたち、希望の姿、国づくりの基本――と、震災からの復旧・復興、原発事故との戦いをはじめとする内政・外政全般にわたる諸課題について、野田総理の見解を尋ねた。
野田総理は、原発事故の収束に向けての「ステップ2」完了宣言について、原子炉が冷温停止状態に達したことを確認したことから、発電所の事故そのものは収束に至ったと判断したものだと改めて説明。「周辺地域の除染をはじめ、原発事故との戦いは終わっていない」「発電所の安全維持に万全を期しながら廃炉に至る最後の最後まで全力を尽くす」と力を込めた。
野田総理はまた、日本の財政状況について、政府全体の債務残高が940兆円とGDPの2倍に達する見込みと厳しい中、現状は豊富な国内貯蓄の存在等を背景に低い金利水準で安定的に国債を償還することができているが、国債の国内消化を支えてきた国内貯蓄が伸び悩む一方、政府の債務残高は増加の一途をたどっており、国債をめぐる環境が変化する可能性があると指摘。団塊の世代の高齢化に伴い社会保障関係費の急増が見込まれる中、その安定財源の確保のため、国債市場が安定している今こそ社会保障と税の一体改革を着実に実行し、市場の信認を確保しながら財政健全化を進めていくことが重要だと説いた。
「社会保障と税の一体改革は、国民利益のために必ず成し遂げなければならないもの」だと野田総理は強調、行政改革、政治改革とあわせて包括的に実施することは民主党の原点であり、「親、子、孫を通じて、また自身が尊厳ある生き方を貫くためにも全世代の営みと生活に責任を持つことが必要であり、そのための一体改革」だと述べた。