野田内閣は24日に召集された第180通常国会の冒頭、衆参両院の本会議で総理、外務、財務、経済財政担当の4大臣による政府4演説を行った。
施政方針演説

野田佳彦総理は施政方針演説で、「昨年9月、野田内閣は、目の前にある課題を一つ一つ解決していくことを使命として誕生した。『日本再生元年』となるべき本年、私は何よりも国政の重要課題を先送りしてきた『決められない政治』からの脱却を目指す」と切り出した。大震災からの復旧・復興、原発事故との戦い、日本経済の再生を「三つの優先課題」として引き続き全力を挙げる考えと、その具体策について述べるとともに、国家公務員給与削減や1票の格差是正、衆院議員定数削減などの政治・行政改革と、社会保障を持続可能で安心できるものにするための社会保障と税の一体改革――の二つの改革を「今やりとげなければならない大きな課題」だと位置づけ、与野党ですみやかに合意を得られるよう、「今こそ立場を超えて、全ての国民のために、この国の未来のために、協議に応じていただくことを願ってやまない」などと呼びかけた。
外交演説

玄葉光一郎外務大臣は、就任以来、わが国の国益を最大化することを目指し、着実な成果を目指す結果重視の「実のある外交」を全力で進めてきたとしたうえで、(1)アジア太平洋地域での豊かで安定した秩序の形成(2)内向き傾向からの脱却を進め、世界の諸課題の解決に挑む日本(3)総合的な外交の能力強化のための環境づくり――を柱とする外交の基本方針について所信を述べた。国際社会の諸課題に対しては、政治・安全保障面での貢献、経済・社会面での貢献に加え、「日本的な価値」をいかした外交を推進することで積極的に関与する考えを明示。「苦しい今こそ内向き傾向から脱却いて龍のように立ち上がり、世界の中で課せられた使命を一層能動的に果たしていかなければならに」と説き、外交に国の総力を挙げるべく超党派での協力を呼びかけた。
財政演説

安住淳財務大臣は、平成24年度予算について、引き続き東日本大震災からの復興に全力で対応するため、東日本大震災復興特別会計を創設すること、また「日本再生重点化措置」で、日本経済の再生を目指すメリハリのある予算と強調。基礎的財政収支対象経費を前年度比約2.5兆円減の約68.4兆円に抑えるなど歳入・歳出両面において最大限の努力を行ったことを説明した。また平成23年度第4次補正予算については東日本大震災の二重ローン問題、中小企業の資金繰り、エコカー補助金等への対応を盛り込んだとした。
安住財務大臣は経済成長と財政再建の両立が日本経済の再生に不可欠との考えを示すとともに全ての人が将来の明るい展望を見いだせる国を実現するため、両予算ならびに各関係法案の早期成立を求めた。
経済演説

古川元久内閣府特命担当大臣(経済財政政策)は、「日本再生に向けて被災地の復旧・復興を強力に推進するとともに、『新成長戦略』の実行を加速し、日本経済を再び力強い成長軌道に乗せていく」とし、経済財政政策の基本姿勢として、イノベーションを実現し、成長力を高めることが必要不可欠だとの考えを示し、特区制度などを最大限活用し、地域の創意工夫を促し、創業や起業、そして事業の再生・再編などを通じて地域におけるイノベーションの実現を目指していくとした。
こうした基本姿勢の下、(1)日本経済の再生に向けた円高対応を含めた景気の下振れ回避、デフレ脱却への取り組み(2)経済成長と財政健全化の両立に向けた取り組み(3)更なる成長力強化、分厚い中間層の復活、世界における日本のプレゼンスの強化――などに取り組んでいく考えを提示した。