民主党の掲げるチルドレンファーストは未来を担う子どもたちに「投資」すると同時に、子どもたちの人権を「守る」という二つの立場に立ったもの。子どもの権利条約遵守という点で国内の法整備が不足していると国連からの勧告を受けるなか、民主党議員がこれまで取り組んできた「子どもの人権を守る」という視点での取り組みについて聞いた。
「いじめ」と真摯に向き合う仕組みを学校に。問題解決へ一歩ずつ
大山昌宏(おおやま・まさひろ)衆院議員
城井崇・文部科学大臣政務官と面会し、いじめ問題に対する理解と対応を要請する大山議員(右、10月20日)
いじめが原因の不登校や自殺は、いじめられた子どもとその家族だけでなく、いじめた側の子どもや学校、社会を巻き込む深刻な問題です。私もこれまで全国いじめ被害者の会(大澤秀明代表)や文部科学省との意見交換を通じ解決の糸口を探ってきました。
文科省も、これまで様々な取り組みをしてきましたが、根本的解決には遠く及んでいないのが実情です。大澤代表のご子息のいじめ裁判では、「教師がいじめをいじめととらえないことが問題の根底にある」と認定されました。この指摘も真摯に受け止め、「いじめの存在で教師や学校の評価が下がるのではという漠然とした不安を感じながらの対応には限界がある。教師と学校がいじめに毅然と対応すればプラスの評価を受ける仕組みに変えることも必要」というように、いじめが明るみに出ない今の仕組みを改めるべきという意見も文科省から出ています。わずかながらも解決への糸口が見えます。
全ての子どもたちが安心、安全に学校に行けるように皆で取り組んでいきましょう。
児童ポルノ根絶へ法改正案。被害児童の保護も徹底
山尾志桜里 衆院議員(やまお・しおり)
党児童ポルノ法検討ワーキングチームで事務局長として司会を務める山尾議員
民主党は今年の8月に「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」の改正案を提出しました。児童ポルノの「取得」行為の処罰規定を新設し、また、被害児童の保護措置を講じる主体を厚労省等と明文化して責任の所在を明らかにするなど、被害児童の保護を徹底する内容です。
児童ポルノの処罰範囲を、供給する側のみならず取得する側にまで拡大することによって、需要を断つことができますから、この法案が成立すれば児童ポルノ根絶に向けて大きな前進となります。
自公案のように「所持」を処罰対象とすると、メール等で一方的に送りつけられた場合でも、捜査の初動で人権侵害が発生する危険があるため、「取得」という能動的行為を処罰対象としました。
私は検察官時代に児童ポルノ事案を担当したこともあり、大人が子どもを性的に虐待・搾取する行為に怒りと悲しみで体が震えました。この度、党のワーキングチームで真摯(しんし)な議論を重ねて非常に実効性あるバランスのよい法案ができました。
子どもを社会全体で育んでいこうという「チルドレンファースト」。この理念を全うするためにも、法案の成立に尽力してまいります。
「親の離婚」で傷ついた子どもたちをさらに傷つけないために――「ハーグ条約」と格闘
井戸まさえ(いど・まさえ)衆院議員
党沖縄県連男女共同参画委員会が開催したハーグ条約を考えるシンポジウムでパネリストとして発言する井戸議員(9月3日)
離婚は、それが新たな人生の決断だとしても、親子が別れて暮らす場合には、双方に多くの痛みが伴います。
日本では、離婚に先立ち妻が子を連れ実家に帰ることが珍しくありませんが、文化や法律の建て付けが違う国では「連れ去り」とされ、トラブルに至ることもあります。
こうした問題を防ぐことを目的に1980年、欧米を中心にハーグ条約が採択されました(締約国は85カ国)。
ハーグ条約は、監護権の所在を決着させるための手続きであり、子を移動前の国に返還することが原則ですが、返還後の人生が幸せだったか等問題とされません。また、「親子が直前の1年に暮らした国が裁判管轄権を持つ」というルールに、それぞれの国が国内法で返還拒否事由を決めていますが、基準がわかり難く、DVへの対処も不十分と問題を指摘されています。
日本は未加入ですが、近年、国際結婚にまつわる「連れ去り」が外交問題化し、政府は批准に向け、国内法整備に着手することを決めました。
賛否が分かれる難しいテーマですが、親の離婚で傷ついている子どもたちを更に傷つけないために、そしてDV被害等の現実もしっかり見据えた上で、国内法整備が出来るよう引き続き「格闘」しています。
子どもの命と未来を守る民主党――児童虐待防止・民法等一部改正案の成立
橘秀徳(たちばな・ひでのり)衆院議員
橘議員は2児の父でもある。
マンションのインターホン越しの声も届かず、3歳と2歳の幼い姉弟が餓死―昨年のこの事件に心を痛められた方も多いでしょう。わが国では虐待で実に3日に一人、小さな命が失われています。児童相談所への児童虐待の相談件数は、この20年で50倍の年間5万件余に増えています。
民主党は児童虐待防止に力を入れてきました。10年ほど前の野党当時は政調スタッフも十分おらず、政策担当秘書だった私が担当。霞が関、特に民法所管の法務省は後ろ向きで、成立した議員立法は不十分な内容となりました。
政権交代後、千葉景子法務大臣(当時)が政治主導で法務省に民法改正を強く指示。この結果、親権を最長2年間停止する等の民法等改正案が今年5月に成立しました。
従来の親権喪失制度では親子関係を期限無く完全に断絶させるため、関係者が申し立てをためらい、その間に命が失われる悲劇が繰り返されてきました。10年越しで私たちが訴えてきたことがようやく実現します。しかし、いくら法整備が進んでも、私たち国民一人ひとりが行動しないと子どもたちを守れません。児童虐待防止法は虐待が疑われる際の通告を全国民に義務付けています。
力を合わせ、子どもの命を守りましょう!
(プレス民主12月16日号より)

