記者会見にのぞむ野田総理

 野田佳彦総理(党代表)は9日夕、首相官邸で会期51日間の臨時国会の閉会を受けて記者会見し、内政外交の様々な課題について現状と今後の取り組みについての考え方を語った。

 野田総理は、今臨時国会を総括的に振り返り、2011年度第3次補正予算と復興財源確保法、復興特区法、復興庁設置法などの成立を挙げて、「今国会の最大の成果は東日本大震災からの復興、日本経済の立て直しという、この内閣が必ずやり遂げなければならない課題に大きな1歩を踏み出すことができたことである」と感想を述べた。

 そのうえで、「被災地の復興を進めていく仕組みが揃った。復興をスピードアップさせていきたい」と復興への道筋に期待を寄せると同時に立地補助金など第3次補正予算に盛り込んだ諸策を確実に実行し、円高・空洞化対策を加速させていく姿勢も示した。

 一方で復興財源をねん出するうえで重要となる国家公務員給与削減法案や郵政改革法案、労働者派遣法改正案が成立できなかったことに野田総理は、「じくじたる思いが残る。国会閉会後も各党会派との協議を進めて合意形成を図っていきたい」との考えを述べ、来年の通常国会において早期成立を目指す意欲を改めて示した。

 また野田総理は外交課題への取り組みについてG20サミット、APECやASEAN関連サミットなどの国際会議で日本の考えを世界に積極的に発信し、各国首脳との信頼関係を深化することができたと胸を張った。

 同日の参院本会議で一川保夫防衛大臣と山岡賢次消費者行政担当大臣に対する問責決議案が可決されたことについては、「大変残念ではあるが、厳粛に受け止めなければならない。両大臣においては自らを省み、襟を正して職務遂行に全力を挙げてもらいたい」と述べた。

 次に野田総理は年末に向けて来年度予算編成、第4次補正予算、原発事故収束、日本再生基本戦略の取りまとめなど取り組むべき政策課題があることを指摘。「ひとつひとつ着実に道筋をつけていきたい」と意欲を見せた。

 なかでも社会保障と税の一体改革については、6月にとりまとめた成案を年内をめどに具体化し、素案をまとめるよう指示したことを説明。社会保障費の毎年1兆円規模の増加、子育て世代など現世代型の社会保障制度の構築が財政面でも極めて切実な課題であるなか、将来へツケを回すばかりでは国家の信用は守れないとの認識を示した。

 その状況に対応するため、徹底したムダの削減と税外収入の確保に懸命に取り組み、公務員宿舎の25%削減や提言型政策仕分けなどを通じた行政の効率化の推進、さらには特別会計の見直し、国の出先機関の原則廃止法案を来年の通常国会で提出することを目指す決意を表明した。

 そのうえで野田総理は社会保障の機能強化と持続可能性の維持を果たすために、経済の状況を慎重に見極めたうえで国民への負担に対する理解を求めていく考えを明らかにした。

 最後に野田総理は、被災者への生活支援、中小企業対策、就職支援など国民の暮らしの安心を守る対策を今後もしっかりと講じていきたいと締め括った。