11月12日~25日の2週間、内閣府と関係府省庁が主唱し地方公共団体や関係団体が参加して「女性に対する暴力をなくす運動」が全国展開された。担当大臣である蓮舫内閣府特命担当大臣(男女共同参画)に、広報副委員長の姫井由美子参院議員が運動の重要性について聞いた。
性暴力根絶を目指して
蓮舫内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
姫井 男女共同参画大臣としての抱負をぜひ。
蓮舫 今、パープルリボン(※1)を着けていただいておりますが、11月は「女性に対する暴力をなくす運動」に取り組んでいます。まずは一人でも多くの方にご理解をいただきたい。女性も男性も、観念的につくられた役割を超えて、それぞれができることに挑戦していける共同参画の社会を実現することが私たちの目標です。そのなかで、間違った慣習があれば正していくことも必要です。
課題の一つに家庭内の暴力があります。これまではどうしても「家庭の中のこと」と見られがちでしたが、そうではなく、力による威嚇や暴力は人権侵害にもつながる行為だということを広く知っていただきたい。

姫井 DV(ドメスティックバイオレンス=配偶者からの暴力)についてはDV防止法ができ、支援センターが各都道府県に設置されました。しかし、今内閣府が女性に対する暴力の専門調査会で取り扱っているような性暴力被害者に対する支援に関しては、法律が存在しないだけにまだまだ理解が少ないと思います。この点について、お話をお聞かせください。
姫井由美子参院議員
蓮舫 内閣府の調査でも、13、14人に一人が何らかの被害に遭っているという衝撃的なデータ(※2)が浮かび上がりました。昨年12月に取りまとめた第3次男女共同参画基本計画にも盛り込まれていますが、内閣府としても、こうした性犯罪をなくすための取り組みを調整能力を持って進めていきたい。今、実際に被害に遭われた方々、あるいは被害者の支援をしていただいている団体の皆様方から、具体的な活動の内容や効果についてヒアリングを始めたところです。
姫井議員からもご指摘をいただくように、性犯罪の問題は縦割り行政のすき間に陥りがちです。たとえば警察や厚労省、法務省であったり、学生の場合は文科省であったり。そこをうまく調整して、残念ながら基本法は存在しませんが、今ある法律を最大限に使って省庁それぞれの取り組みを進める考えです。例えば警察なら女性警察官が親身に被害者の相談に乗る体制づくり、厚労省なら相談の窓口の整備と相談員の方々のスキルアップ研修の実施や、子どもたちが被害に遭わないための教育の普及などです。
性犯罪を未然に防ぐ努力と、残念ながら被害に遭われた方たちが救われる場所をつくること。この二つの取り組みを同時に進めていきたいと思っています。

被害者救済に残る現実問題
姫井 今ある法律のなかで、とおっしゃいましたけれども、例えば日本の刑法では単独犯による強姦は親告罪で、被害者が自ら告訴しなければならず、さらに抵抗が困難な暴行または脅迫が存在しないと認められないなど、被害者に非常に大きな負担がかかります。現行の法解釈だけでは済まない部分もあります。
蓮舫 よくわかります。調査結果を見ても、恥ずかしくて被害を誰にも言えなかった、あるいはどこに相談していいのかわからなかったという声があり、現行の法解釈の中で本当に被害者が救済されるのかという問題は残ります。ただ政府として、今ある法の枠内で最大限に被害者を救済する努力はしなければいけません。そこで不備な部分があれば、党の中からでも声を上げていただき、それによって何らかの取り組みができるのであれば、政府も一緒に努力したいと思います。
姫井 しかし先日もせっかく大臣がすばらしい答弁をなさったのに、「被害者だけでなく加害者の声も聞け」などと本会議場で心ないヤジがありました。国会内でもこれだけ理解がないのかと……。
蓮舫 非常に遺憾です。怒りに近い残念な思いでした。性犯罪が被害者、あるいは被害者のご家族にとって、どれほど大きな心身の傷であるか。ほんの少し想像力を働かせ、人として思いやっていただきたい。そこを共有して初めて、手を携えて前向きに取り組んでいくことができます。
姫井議員がご努力いただいた部分を今まで以上にしっかり受け止めて、私も啓発をしていきたいと考えています。
勇気ある小さな活動を礎に
姫井 渡航費用を私たち女性団体が都合する形で、アメリカから大藪順子さんを呼んで院内集会を開きました。また、女性に対する暴力に関する専門調査会でも大藪さんが話されました。自らも当事者である大藪さんのお話を聞いていただくということは、大きな前進だと思っています。
蓮舫 すばらしいですね。私もこの後、デートDV(※3)の被害を同じ学生に広げないための啓発活動に頑張っている、大学生にお会いします。
最初は小さな取り組みかもしれませんが、こうした点と点が線になり、線がつながって面になるような活動は、全面的に応援します。
姫井 自分の体験を皆さんに共有していくというのは、すごく勇気がいることですけれど、頼もしいですね。
蓮舫 その勇気ある行動は本当にすばらしいと思います。また、男子学生もそのグループに入って未然防止策に取り組んでいる。こうした活動には、心から敬意を表します。
姫井 点の活動を線から面へとつなげるために、各地の支援センター(※4)も大活躍しています。拠点づくりをぜひ進めていただきたい。
蓮舫 そうですね。支援センターが稼働して、関係者の皆さんに頑張っていただいていますが、数的に十分かと言われたら、まだまだであると私も思っています。目標を掲げてできるだけ拠点を増やし、きめ細かな対応ができるように取り組んで参ります。
姫井 期待しております。ありがとうございました。
※3 デートDV 交際相手からの暴力。
※4配偶者暴力相談センターにおける相談件数

(プレス民主12月2日号より)

