
経済連携プロジェクトチーム(PT)は、11月のAPECに向けて震災で一時停止していた経済連携の検を再開するべく、10月4日に再発足しました。役員会を12回、議員レベルの総会も23回行い、発言いただいた議員はのべ500人以上、論議は50時間を超えました。そして11月9日に、最終の提言をまとめました。
大きな論点のひとつが、APECが2020年の構築を目指すアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想です。地域間の経済連携をそれぞれ進めながら、最終的にはFTAAPに統合していこうという方向性について日本が主導的役割を果たしていくべきであることに異論はありませんでした。その道筋のなかで、唯一多国間で具体的な協定論議が行われているのが環太平洋パートナーシップ協定(TPP)というわけです。
日本が主導的にTPPに参加することで、一つには国益につながるルール作りをしようという積極的な意義があり、また、米国が今後アジア太平洋地域は(2国間交渉ではなく)TPPに集中するという意向ですら、日米同盟関係の上でも日本の参加は重要だという意見がありました。
一方、APECでのTPP交渉参加表明は時期尚早、あるいは表明すべきでない、国民的な議論や情報提供がまだ不足しているといった反対・慎重意見が多数出たことも事実。これらの意見を公正に政府に対する提言に反映させ、PTとしては、「APEC時の交渉参加表明について『時期尚早・表明すべきではない』との立場に立つ発言が多かったことを政府は十分に踏まえて慎重に判断すべき」ということを提言しました。その結果、この提言を受けて野田総理が記者会見で交渉参加に向けて関係国との協議に入ることを表明しました。
「この1カ月間、粘り強く精力的に議論 を進めてきました。分かりにくいという 声もありましたが、ある面、TPPの交渉に入るかどうか定かでないうちに、こ れだけの情報を得ることができたという のも、このPT論議の成果です」
例外品目と第1次産業の国内対策
農産物、第1次産品の競争力が課題になっています。TPPの原則は関税の撤廃、すべての産品を交渉テーブルに載せることですが、現9カ国の交渉の状況を見ますと、物品の関税撤廃交渉はあまり進んでいません。各国とも重要産品を抱えており、例外品目をつくることを主張する国もかなりあると言われています。
われわれ与党としては、原則は原則として、例外・除外品目を勝ち取ることを交渉の柱にしなければならないと強く思っています。
同時に、関税が下がって農産物の内外価格差が高まることになれば、民主党の農業政策の根幹である農業者戸別所得補償制度を拡充・強化することが必要です。仮にTPPの問題がなくても、第1次産業の国内対策強化が急がれていることは間違いありません。財源のめどを付け、国内の農業者の皆さんに安心していただくことが大切です。
総理の協議開始表明を受け党としての立場は
条約協定の交渉参加や交渉の中身を決めるのは、あくまでも政府の専権事項です。われわれとして提言はしますが、あくまでも政府の責任でやるべきです。同時に国民への情報提供を行い、幅広い国民的議論を経たうえで、国益に立って結論を得ていくことが大切です。
(プレス民主12月2日号より)